感動の山 浅間山 
トーミの頭からの浅間山
1972年4月29日
ルート平面図
省略



ルート断面図 拡大
横浜駅⇒上野駅⇒小諸駅⇒車坂峠→トーミの頭→黒斑山→J バンド→湯の平→前掛け山→浅間山→峠の茶屋⇒中軽井沢⇒上野駅

 

横浜にて集合して上野発0時22分発急行信州5号に乗り小諸に向かう土曜日のゴールデンウィークなので混んでいると思っていたが、ガラすきで足を伸ばして寝て行かれる。4人のメンバーなので始めのうちは話し声が弾んでいたが暫らくすると声が小さくなりそのうち途絶えて全員眠ってしまう。

 小諸着4時30分なので3時間ほど寝て行ける..起きろー!!急に騒ぎ出す。小諸駅に列車は停車しているのだ、全員慌てて両手に荷物を持ってホームに駆け出る。アーよかった、息を漏らす、列車が空いていたので完全に寝てしまったのだ、でも丁度気が付いたので危うく乗り過ごす所だった。全員ホッとした顔で外に出る。外はまだ暗い 駅でバスの時刻を見るとまだ2時間ほど時間がある、駅でブラブラしていたが時間がもったいないのでタクシーで車坂峠まで行こうという事になりタクシーに乗り込む。

 小諸市街を抜けてどんどん登って行き右、左とカーブしながら登りついた所が車坂峠で40分程で到着する。まだ陽ので前だがいくらか空が明るくなっているので登山準備を始める。水を補給するため傍にある山荘に水をもらいに行く、ドアーが閉まっていて入れない、朝が早いのでまだ寝ているみたい。どうしても水は必要なので裏に回って見る、鍵のかかっていないドアーがあったので中に入り水をポリタンに入れてくる。これで準備完了、

 車坂峠を後にトーミの頭に向かう5時40分登山開始、始めは唐松林の中をジグザグに登って行く、足元には所々に雪が残っている。唐松林の中なので展望はよくない。車坂峠より1時間30分トーミの頭に出る

 太陽は既に上がって来ている、目前に浅間山が端正な姿を見せている。浅間山といっても今居るこのトーミの頭も浅間山の一部で3重式火山になっていて一番外側にある外輪山の一角で一番古い浅間山だ。2重目の外輪山は前掛山と呼ばれていて、現在火山活動をしている浅間山の直ぐ外側に名前の如く浅間山に前掛けをかけたように見える。

 軽井沢方面より見る浅間山はなだらかな山の姿だが、黒斑山より眺める浅間山は岩のゴロゴロしている正反対の姿をしている。此れから歩くコースはトーミの頭よりJバンド方面に連なる黒斑山系の稜線を行き、前掛け山とのカルデラ(湯の平)に降りて再び前掛山の斜面を登り浅間山山頂に行く予定。トーミの頭で休憩とする。

 各々浅間山の写真を撮りはじめる、昨年来た時よりも雪が少なかった、湯の平は雪で真っ白になっていたのだが今回は浅間山山頂に僅か雪が残っているだけだ、浅間山特有の山ひだを見ることが出来ない。歩くのには良いが写真を撮るのには残念だ。


        
車坂峠から登山開始 トーミの頭を目指して トーミの頭で休憩
 
 

        
湯の平 端正な浅間山 浅間山の火口

 トーミの頭よりっ稜線を北北西に歩く、起伏が殆ど無く景色も与野で楽な歩きになる。小さなピークが何度かある、仙人岳、蛇骨岳、黒斑山と続きJバンドで湯の平に降下している。ゆっくりと稜線を歩く日影になる斜面には残雪が多いが陽が当る稜線付近は少ない。稜線歩きは何時も右側に端正な姿の浅間山が姿を見せている、

 左側は遠くに着たアルプスの山波が横に長く連なっている。とても気持ちの良いコースなので何時の間にかJバンドに到着してしまう此処からは急な岩場を湯の平まで一気に降るのだ。一歩一歩慎重に降って行く。振り返ると岩山が頭上に覆い被さっているようだ、30分程で湯の平に出る、緊張感が解けてホッと深呼吸をする、

 このまま直接浅間山に登って行くコースもあるが折角なので唐松林の湯の平を回って行く事になる。11時00分湯の平到着。雪は殆ど無い此処で小休止してから浅間山に向かう、浅間山山頂が目前に見えるので僅かなのぼりで山頂に行けると思っていたがいざ登り始めると意外と長い距離を登る事に気づく2時間ほど登ると浅間山と前掛山の間の鞍部に着く


 此処はまだ雪が解けずに残っている、昨年は天気が悪くて丁度この辺りで引き返したのだった。今日は天気は良好目前の浅間山山頂まで後僅かの距離だ山頂より煙が出ている、一息入れて登り始める、直ぐに目指す浅間山山頂2542mに到着する山頂は周囲が約1000m程の火口があり覗いて見ると噴煙を吐き出している。

 火口の縁に沿って500mほど行くと右手に峠の茶屋方面の降り道があるので適当な岩のところで昼食にする、風が強いので大きな岩の陰でラーメンを作って食べる峰の茶屋より登ってきた登山者が30人程休憩している中に普通の姿の人が数人混ざっている。

 昼食を済ませて峰の茶屋に向かって下山する降り坂なので自然と足が速くなり、残雪がある所を駆け足で横切る、1時間程降ると膝がガクガクになり暫らく降ると残雪があるところに出る此処でお尻で滑って楽しんでいる人がいるので、

 我々も膝が疲れているの尻スキーで雪の上を滑って降る。再びダラダラと続く長い降りが終る頃おもちゃの様な小浅間山の所に出る、直ぐ横を通り過ぎると観光道路に飛び出して峠の茶屋に到着する。今日の登山は此処で終わりとなる。もう!足が棒のようになってしまい歩く元気が無くなる

 良く歩いたものだ。3時30分峠の茶屋到着で中軽井沢行きバスに乗り4時40分発の列車で上野着7時17分帰りは混雑していたので座席に座れないので通路に座って帰ることになる。疲れきっているのでとても立っていられない。でも天気が良くて楽しい登山となった。