感動の山 穂高 槍ヶ岳
前穂高からの槍ヶ岳
1976年7月25日〜27日
ルート平面図
省略



ルート断面図 拡大
八王子⇒高尾⇒松本⇒上高地→岳沢ヒュッテ(泊)→前穂高→奥穂高→ジャンダルム→穂高山荘(泊)→涸沢岳→北穂高→キレット→南岳→天狗の原→肩の小屋(泊)→槍ヶ岳→飛騨乗越→槍沢→横尾→徳澤→明神→上高地⇒松本⇒八王子

 



 7月25日朝一番の電車に乗って高尾駅に行き高尾発の鈍行で松本に向かう  松本から電車で新島々へ行く予定でいたが時間があるのでタクシーで上高地まで行く事にする 私たちは3人なので 上高地まで行く人を2人探す事にする 松本駅で上高地方面に行く人たちが集まっている所で F氏が2人探してきた  神戸から観光で上高地までゆくので 丁度良かった 

 早速5人でタクシーに乗り込み上高地に向かう  電車とバスを乗り継いで行く予定でいたが 5人でタクシーを利用したほうが時間的にも 金額も安く行けるので  良かった(1人当り 1400円) 上高地に予定より約一時間早く着いたので 河童橋のところで記念写真を撮り  丁度 お昼時なので5人で食事を一緒にする 13時05分神戸より来た2人と別れて 

        
上高地 カッパ橋〜登山開始 前穂高からの展望 ナイフリッジを通過してジャンダルムへ


 私たち3人は上高地より 梓川沿いに林道を行く 暫く行くと 左手に岳沢登山口の標識がある 此処で登山準備をして岳沢ヒュッテを 目指して登り始める 天気が良いため陽射しが強くてとても暑い 途中何度か休みながらの登山となる  時々降りて来る人に出会う 顔は真っ赤に日焼している 上高地より3時間50分今日の宿泊予定地岳沢ヒュッテに到着する  宿泊手続きを済ませて直ぐに夕食の支度に取り掛かる 小屋からビールを2本買ってきて食事前の乾杯とする 


 食事も手際よく済ませ明日の予定など話していたがF氏は頭が痛いので先に寝床に入る  後片付けを済ませてから寝床の準備をしていると お風呂に入れるというので 早速行くと  5人ずつ10分間とゆう制限があるので急いで お湯に浸かってくる 思い掛けなく風呂に入れて  今日の疲れも癒される 今夜はゆっくり休めそう 先に寝床に入っているF氏の頭の痛みは良くなってきた  これで一安心 8時ごろ床に着く。

 7月26日3時30分起床 空はまだ暗いが天気は良いらしい  食事の準備をする為2階から降りるときに足を踏み外して落ちてしまう 幸い少々の傷みがあるものの登山には影響は無いので  小屋の外に出て朝食の準備を開始 お湯を沸かして カップうどんとお茶を作るF氏はまだ調子が悪くて  お茶のみの朝食となる 4時40分岳沢シュッテを出発し前穂高に向かうキャンプ場を過ぎどんどん登る 

 森林限界を過ぎ岩場をさらに登る 8時30分前穂高岳3090mの山頂に到着天気は良好360度の展望があり  お茶とコーヒーで休憩しながら記念撮影 前穂高発9時30分奥穂高に向かう一度降って(吊尾根)再び登りとなる F氏は体調が良くないのでスローペースとなる奥穂高山頂まであと僅か 目前に日本第三位の標高の頂きが迫って来る 

 苦しい登りが続いたがとうとう奥穂高3190mに到着 此処で昼食にして十二分の休息をとる F氏は体調が回復しないので I氏と二人で目前に聳えているジャンダルム(穂高の稜線上にある岩峰の名称)まで行って来る事にする  荷物は山頂に置いてカメラのみを持ってガレ場を5、6分降ると馬の背(ナイフリッジ)と言う幅の狭い稜線の降りとなる 

 さらにガレ場を降ると小さなコル(鞍部)に出て次に通称ロバの耳の登りとなる ロバの耳の頂きに立つと 隣に目指すジャンダルムが立っている ロバの耳を降り ジャンダルムの登りは裏側に廻り込む様に登って行く 10分程で感動の山 ジャンダルムの頂きに立つ ジャンダルムの頂きで10分ほど居たが ガスが刻々と変化して来るのでガスの切れ間に周りの情景が映し出される 


        
奥穂高からの迫力あるジャンダルム キレットを通過して南岳に登る 目前に聳える槍ヶ岳

 ガスが完全に晴れるのは期待できないので 引き返す事にする  ロバの耳の頂きに来るとガスが切れそうになってきたので カメラを向けて待っていると ガスの切れ間より特異な姿の岩峰 ジャンダルムが見えてくる 素早く チャンスを逃さずカメラに収める 日本有数の岩峰を十二分に味わったので 

 F氏が待っている事もあるので 奥穂高山頂に戻る F氏は既に穂高山荘に下山している I氏は直ぐにF氏の待っている 穂高山荘に下山する 私は暫く奥穂高山頂で撮影をしてから最後に下山する ガスが濃くなって来たので明日は 天気が崩れて来そうだ 穂高山荘に着いたのは6時頃となり小屋の前で2人とも休んでいた 

 早速夕食の準備に 取り掛かり食事をしていると小雨が降ってくる急いで後かたずけを済ませて小屋に入る 寝床で荷物の整理をしてから 読書室に行き暫くジュースを飲みながら本を見ていると山の8ミリ映画を始めると連絡があり 見に行ったが直ぐに終わりになる  消灯が近いので寝床に入って寝る事にする。


 7月27日4時起床素早く朝食を済ませる  穂高山荘発4時50分天気は悪いが 雨が降っていないのが幸いだ 穂高山荘より岩場を涸沢岳に向けて登って行く視界は悪く目前の稜線程度しか見えない 5時15分涸沢岳3103mを通過今度は鎖場の急な降りとなる 鎖に捉り慎重に降って行く 途中雲の切れ間より 前穂高が見える 雲の動きが速い天気は悪い方に向かっているみたいだ 

 北穂高に近づくにつれて雨が降ってきそうになる  8時丁度北穂高岳3100m山頂に到着 此処で展望は望めないがお茶で休憩とする 雨が降り始めてくる  北穂高山荘には寄らず雨の中を今回一番の難所のキレットに向かう北穂高より急な岩場を降る雨具を身に着けているので 慎重にゆっくり降る 難所が続くので緊張の連続となる 晴れていれば滝谷の岩峰を見ることが出来るのだが残念だ 

 11時30分難所を通り過ぎて南岳の登りとなる 此処を登り南岳手前のピークで昼食とする何時の間にか雨が上がっている 此処からは今までとは一転して長閑な稜線歩きとなる時折雲の合間より穂高が見えてくる 15時20分南岳3032mを通過して 中岳に向かう 目指す槍ヶ岳の姿が見えてくる天狗の原15時45分中岳雪渓の水場で目前の槍ヶ岳を望みながらの休憩とする 

 長い距離を歩いて来たので疲れが出てくる しかしもう直ぐ槍ヶ岳肩の小屋なので自然とスローペースで歩く7時10分肩の小屋に到着  サァー!夕食だ食料は十分あるので腹いっぱい食べる事が出来る 山小屋は意外と空いている食事を済ませると F氏は寝床に行き先に寝てしまう 外に出ても曇りで星空を見ることも出来ないので寝る事にする8時45分寝床に入る  夜雨になって来たが明け方は止んでいる


 7月28日天気は良好  外に飛び出して見ると目前に槍が聳え立っている 気温が低くて寒いので長袖のセーターを着る 食事を済ませて荷物を整理してザックを山小屋に預けてから 軽装で槍ヶ岳登山とする槍ヶ岳山頂からは360度の展望だ 以前来た時は曇りで周りの景色を見ることが 出来なかったが今日は十分展望できる 


        
槍ヶ岳からは槍沢を下る 雪渓を下る 近sd小梨平から見上げる前穂高


 山頂でゆっくりしていたいが今日の下山コースは長いので早々に 肩の小屋に戻って日本で一番標高の高い峠、飛騨乗越から槍沢を降るまだ残雪が多く残っているのでグリセード (半すべり)しながら600m〜700m降る途中振返り槍ヶ岳の写真を撮ったりして時間を費やしてしまったので 雪渓の下端に着いたのは8時45分になってしまった。此処で再びお茶にする 

 お茶は水分の補給と寒いときには 体を温めるので適している 体調が悪い時でもお茶を飲む事が出来れば結構体力回復になる、 此処からなだらかな降り路となり槍沢ロッジを過ぎて一の又、横尾、徳沢、明神、上高地へと長い道のりを辿る  以前槍ヶ岳登山でこのルートを往復した時は本当に長い道程で変化が少なく次回は必ず別ルートをと思っていたが 槍ヶ岳から上高地への最短コースなので再び同じコースを辿る 

 上高地からタクシーで他の登山客2人と相乗りで 松本駅に向かう 途中ドライブインで時間調整の為小休止して松本駅に来る 落雷の為電車は遅れているので 一番速く乗れる特急に乗り込む 2時間8分遅れで八王子駅に到着 2時間以上遅れて(松本駅で既に遅れている) 着いたので特急料金1100円を払い戻して貰う 結果的には特急料金無しで特急に乗って来た事になった