感動の山 丹沢 蛭ケが岳 
枯れ木に霧氷の花が咲く
2004年12月25日
ルート平面図
省略



ルート断面図 拡大
相模原4:45⇒飯能⇒宮が瀬5:25⇒塩水橋6:15→天王寺登山口6:45天王寺峠7:10堂平分岐9:40→丹沢山山頂10:50→不動の峰12:37→鬼が岩の頭13:10→蛭が岳山頂13:50→丹沢山15:50→堂平分岐16:30→塩水橋18:30⇒相模原20:00

 


 相模原の自宅に何時ものようにHTさんが迎えに来てくれて、4時45分出発車の中で行く先の確認をする。天気も良さそうなので計画どうり丹沢経由蛭が岳まで往復、結構ハードな計画だが無理なら途中で引き返すと言うことで、一路、宮が瀬経由塩水橋に向かう、途中コンビに寄って食料の準備、早朝とあってすれ違う車も殆ど無し、塩水橋に6時到着。

 登山準備をしてから寒くて暗いので車の中で軽く朝食を摂る。6時15分林道のゲートを抜けて登山開始。10分ほど林道を歩いて行き右に堂平に続く林道を見送り直進して本谷川に沿って林道を行く。塩水橋より30分天王寺尾根に上る登山口に出る。
塩水橋際に駐車する 天王寺尾根登山口 鹿よけの柵を越えて

 天王寺登山口より小沢に沿って登って行き鹿よけの柵を越えて、杉の樹林帯の中ジグザグに登ってゆくと登山口より20分程で天王寺峠と書かれた標識のある峠に出る。此処からは丹沢山に向けて天王寺尾根の長い登りが続く。天王寺尾根の南側は杉の樹林、北側は広葉樹林で木立の合間より丹沢より続く丹沢三峰の特異な山容が見渡せる。

 鹿よけの柵を数回越えて登ってゆくと鹿よけ柵の上端に出る(8:30)此処からは広葉樹林帯の明るい尾根となり気持ちよく登ってゆくと塩水橋へ60分の新しい標識があり、塩水橋から要した時間は2時間20分で降りの2倍で到着している、更に登ってゆくと針葉樹林帯に変わり痩せた尾根筋の登山道となり露出した根につまずかないように足元を注意しての登山となる。
 丁度9時樹林の合間より朝焼けの大山が見える所があり、再び明るい広葉樹林帯の急な登山道となり冬枯れの中に緑の艶やかな葉を茂らしたアセビの低木が多く見られるようになる。アセビの中を登りつめると緩やかな尾根路となり9時45分堂平に下る分岐に出る。塩水橋より約3時間15分、ガイドブックの標準タイムは2時間なので休憩の30分を抜いても1時間15分オーバーしている。

 緩やかな堂平分岐を過ぎて再び急な登りとなり、前方が大きく開けてきて丹沢山直下の大崩落した箇所の通過となる、鎖が設けてある所で左右が切れ落ちているので慎重に足を運ぶ、崩落地を過ぎて振り返り見ると丹沢三峰とほぼ同じ高さの位置まで登っている事が判る、再び明るい広葉樹林の中を登ってゆくと複線の木道になり、重い足取りでゆっくり登ってゆく。
大きく崩壊したガレ場を登る 丹沢山頂に建つ みやま山荘 日本百名山 丹沢山の標識1567m

 木製の階段を登りつめて丹沢三峰の分岐の標識を確認(丹沢山に200m)緩やかになった登山道をゆっくりと山頂に向かう 10時50分丹沢山頂に到着、感動の山歩きとなる(塩水橋より4時間35分)山頂には登山者が6名ほど休憩している、まだ時間的に早いのか少ない気がする。

 期待していた富士山の姿は雲に遮られて見えない。残念!! 記念撮影を済ませて11時00分遠くに見える丹沢山塊の最高峰、蛭が岳に向かう事にする。蛭が岳へ3.4kの標識を確認して丹沢の急斜面を降って行く、振り返り見る丹沢山が次第に遠ざかる、不動の峰目指して丈の低い笹原の遮る物が無い気持の良い登山道を足取り重く登って行く。

 1550mのピーク付近の休憩舎とテーブルが設けてある所で昼食にする。早速お湯を沸かし暖かいカレーラーメンとおにぎりなど食べて休憩する、気温が低いので暖かい食べ物は体も温まり疲労回復にもなる、コーヒーで水分と体を温めて素早く昼食を済ませる。昼食休憩で多少体力を回復でき、不動の峰1614mに向けて登り始める。雲の動きも早く西から東に移動して行く、時折雲の切れ間の青空から太陽が顔を出して陽を射してくる。
暖かい食事で昼食休憩 不動の峰 不動の峰西側斜面に出来た霧氷 ピラミッド型の蛭が岳

 不動の峰を降り始めると左側(西側)斜面の木に白い花が咲いている!!一瞬びっくり、霧氷の花だ。近づいて良く見ると木の枝全体の片側に5cm程霜が付いている、霜が融けないで木に付いている事で気温は0度以下のようだ。素晴らしい光景を見られて感動する。再び感動の山歩きを続ける、不動の峰を降り棚沢の頭目指して気持ちの良い笹原を登って行く、足取りが重くなって来て登りは特にスローダウン、12時50分棚沢の頭を通過。

 棚沢の頭を過ぎて鬼ガ岩の頭に向かって僅かに降り登り返すと蛭が岳の山容が大きく迫ってくる塩水橋より長い距離を歩いて来ているので足取りが重く少し登っては止まりを繰り返して登って行く。13時10分鬼ガ岩に到着、目前に大きな蛭が岳が聳えている。鬼ガ岩の急な岩場を鎖に頼らず慎重に降り、いよいよ往路最後の蛭が岳の登りに取り付く、蛭が岳山頂付近にも霧氷が広がり山頂一帯が太陽光を反射させて白く輝いている。足取りが重く目前の山頂になかなか着かない。

 蛭が岳の中腹まで登って来ると霧氷が素晴らしい光景を作っている、しばし足をとめては空を仰ぎ、青空に輝く自然の景観に目を取られ、僅かな間疲れが抜けてしまう。13時15分蛭が岳山頂(神奈川県の最高峰1672m)に辿り着く。よくも歩いて来たものだと自分自身に感心する。塩水橋を6時15分歩き始めてから丁度7時間。

 丹沢山山頂で一緒になった登山がベンチで休憩していたので荷物を降ろし話し込んでいると山小屋の番犬がお出迎えに尻尾を振って寄ってきたので残っているパンを半分分けてあげると美味しそうに食べてしまう、僅かに遅れてHAさんも山頂に到着、お疲れさま!!その内山小屋のご主人も出てきて山頂の周りを話しながら案内してくれる。夜景も素晴らしいので今度は泊まりで着て下さいと山小屋のご主人の言葉
鬼ガ岩から見る蛭が岳 見事な霧氷の花 蛭が岳山頂 山小屋の主人と登山者

 山頂からの展望は素晴らしく何時もは仏果山、経ヶ岳から丹沢方面を眺めていたが、今日は蛭が岳山頂より眼下に見下ろす事が出来る。明るいうちに丹沢の崩落地を通過したいので蛭が岳山頂を早々に出発する、陽がだいぶ低くなって来て富士山の山頂付近のシルエットが微かに見える。14時丁度蛭が岳を後に一路丹沢を目指す、蛭が岳を降り鬼ガ岩の岩場の急斜面を登り鬼ガ岩の頭より振り返り蛭が岳の雄姿を眺める。

 棚沢の頭を通過して不動の峰15時00分、丹沢山頂に15時50分戻り着く、蛭が岳から丹沢山に戻る間10名程の登山者とすれ違う、蛭が岳日帰り登山は我々と他に3名程の様だ、山頂でコーヒー沸かしていると蛭が岳山頂で一緒になった登山者が追い付いて来たので3人で暖かいコーヒーを飲みながら休憩する。往路の天王寺尾根を登山中に無線交信したJA1OAO局の佐藤さんと再度交信出来る、丁度帰宅した所でタイミングが良かった。10分ほど休憩後早々に丹沢山を後にして3人で下山する。

 丹沢三峰の分岐を堂平方面に降り大きく崩壊したガレ場を明るい内に通過できる、これで一安心出来たがまだ先は長いので極力ペースを落とさず下山する。堂平に降る分岐を通過してしばらく降った所で、先ほど交信できた佐藤さんと再び交信、しばらく待ってみたが丹沢より一緒に降ってきた登山者が降りて来ない、堂平に降った様なので、我々二人天王寺尾根を降る、次第に暗くなり月が出てくる。懐中電灯を出して足元を照らしながらの下山で林道際の登山口に18時05分辿り着く、後は舗装された林道を30分下り塩水橋の際に停めてある車に戻る18時30分

 車のフロントに17時30分下山と書かれた名刺のメモが挟まれていた、丹沢から一緒に降ってきた人のメッセージだった。我々より1時間早く戻っているのにはビックリする、車に自転車を乗せて来て登山口まで自転車で来たと話していたので堂平に降り後は自転車で林道を快適に降ってきたようだ。以前は堂平まで車で行けたが最近多くの林道の入り口にはゲートが設けてあり車の進入運を制限しているので自転車の利用価値は大である次回は自転車を用意しての登山もしてみたい。今回は大変ハードな登山だったがとっても充実した達成感を味わえた。