感動の山 薬師岳
 昨日登った早池峰山の南側にある薬師岳に登る。小田越で地元の方にヒカリゴケを見てきなさいと言われて岩の陰にほんのり光る黄緑色の苔(蛍光粉のような)を見られる。
2013年7月22日

ルート平面図 拡大

ルート断面図 拡大

   小田越(薬師岳登山口)→ヒカリゴケ→森林限界→薬師岳→森林限界→ヒカリゴケ⇒小田越(薬師岳登山口)

 山小屋で一人、心細さと不安感もあったが山中のテント泊まりを考えると自由気ままに出来るのはラッキーと思って昨晩はお酒を温めて飲みながら夕食を済ませる。食後は用意してきたシュラフに潜り夜明けを待つ。時折目を開けては外の様子を窓越に見ていると黒一色になり明け方に再び窓の輪郭が見えてきて紅葉した森が窓越しに見える。今はもう秋...錯覚する。

 日の出時の朝焼けで20分ほどシュラフに潜ったまま眺めている。暫くすると再び薄暗くなり雲に隠れた様だ。早起きして朝焼けの早池峰山の写真をと思ったがシュラフから出る事が出来ずシャターチャンスを逃してしまう。パンとコーヒーで朝食を済ませて荷物を纏めて清掃して6時に小屋を出る。
小田越山荘内部 朝食後 小田越山荘内部 清掃後 小田越山荘正面

 道路に出ると既に車が数台止まっている。早池峰山と薬師岳の登山口の所では一番のバスが到着して居て30名ほどの登山者が登山準備をしている。昨日頂いた水の容器を返しに監視小屋に寄って見たが閉まっている容器を置いて登山口の所にいる係りの方に頂いた水の事を話してから薬師岳に向かう。
小田越山荘入口駐車場 小田越 監視委員小屋 小田越 一番のバスで来た登山者

 薬師岳に登る登山者は無し、今日も一人薬師岳山頂目指してゆっくり登って行く。登山口で地元の方に色々と教えて頂いたので思い出しながら登って行く。昨日の早池峰山とは環境が違ってこちらはアオモリトドマツ(オオヒラビソ)の森林帯の中、花崗岩の大きな岩を乗り越えて行く。所々で早池峰山の姿も見られるが展望は殆ど無し。
早池峰山登山口の反対に薬師岳 薬師登山で振り返り見る早池峰山 山頂0.8K  小田越0.7k の標識

 登山口で教えて頂いたように岩の影を見ながら行くと黄緑色の光る粉を蒔いたようなヒカリゴケが見られる。薬師岳中腹の岩陰で4か所ほど見る事が出来る。他の植物も早池峰山とは全く違うオサバグサ、ツバメオモト、サンカヨウ等が中腹まで続き標高1560m辺りからハイマツに変わり早池峰山では見られなかった石楠花も多く見られる。
早池峰山も大きく目前に 此処にも鉄製階段あり 岩陰にほんのり光る

 帰りに岳の峰南荘で購入した早池峰山の本によると早池峰山は植物の繁殖を拒む蛇紋岩で構成されているためほかの植物が侵入しにくく特異性の植物が見られる様だ。長野県の八方尾根も確か蛇紋岩で出来ている特異性の有る植物が多いと記憶にある。蛇紋岩の山に行けば珍しい植物が見られる事になる。

 森林限界を越した所のピークで小休止していると一人男性の登山者が登って来る。薬師岳に登ってから早池峰山に登ると言って薬師岳山頂で写真を撮った後直ぐに往路を降って行く。後を追って山頂に行きしばらく休憩後小田越山荘に降る登山道を僅かに降りてみたが登山道が荒れている様なので引き返して往路を降る事にする。
ヒカリゴケ 森林限界 石楠花が見られる

 早池峰山にも雲が移動してきて時折山頂の一部が見える程度となり薬師岳からの展望は無く早々に降る事にする。森林帯に入りヒカリゴケの所で二人の監視員の方と行き交い間違いなく此れはヒカリゴケと説明を聞く。暫く降ると登山道整備の方と行き交いさらに降ると10名ほどの団体さんが登って来る。「ヒカリゴケ見ましたかと問われる」ヒカリゴケを見に来たようだ。
薬師岳山頂近し 山頂0.3K  小田越1.2k の標識 薬師岳山頂1645m

 小田越えに戻り20分ほど待ってシャトルバスで岳(峰南荘)迄行きお蕎麦で昼食を済ませてから早池峰神社等見たりして90分程待って横浜から来た方と大迫(おおはさま)行きのバスに乗って大迫で大船渡から大迫経由のバスに乗り継いで盛岡まで同行する。(盛岡⇔岳⇔河原坊⇔小田越の直通バスは朝と夕方の2便のみで土、日、休日のみ)


  薬師岳登山で見られた植物
ギンリョウソウ イチヤクソウ ノビネチドリ (花柄)

ヤマオダマキ カニコウモリ ダイコンソウ

ウツボグサ ヒカリゴケ タケシマラン(実)

エンレイソウ(実) ハクサンシャクナゲ

ネバリノギラン イワウメ(花柄) ツマメオモト(実)

オサバグサ タニギキョウ ヤマブキショウマ

スダヤクシュ シロバナニガナ キツネノボタン